絞り優先A(Av)モードを積極的に使おう
普段の一眼レフを使った撮影において、どんなシーンで何モードを使っていますか?
私は背景のボケ具合にこだわった撮影をすることが多いので、絞り優先モードA(Av)モードを良く使います。
デジタル一眼レフカメラには、F値(絞り値)とシャッタースピードなどの値をカメラが自動で設定してくれるPモード(プログラムオート)、Sモード(シャッター優先オート)、Aモード(絞り優先オート)、すべての値を自分で決めるMモード(マニュアル露出)と撮影者の意図を反映させられる4つの撮影モードがあります。
一眼レフを使った撮影に慣れていない初心者の場合は、細かい設定をカメラにまかせることができるPモードを使うことが多いと思います。
Pモード(プログラムAE)は被写体の明るさに応じた絞りとシャッター速度を自動的に設定するものです。
明るい場所では高速シャッターで絞りも絞りこまれ、暗い場所ほど絞りは開放値に近づき、同時にシャッター速度も低速に調整され、初心者には頼りになるシステムです。
ですが、一方でボケ感を出したり、動きのあるものを撮りたいなどの場合には対応が上手くできません。
かといって、Mモードは一眼レフ初心者には設定は難しく、設定に手こずって撮りたい一瞬を逃しかねないこともあるでしょう。
そんな時に積極的に使ってほしい撮影モードが絞り優先のA(Av)モードです。
私は一眼レフでの撮影の7割以上は、A(Av)モードといっても過言ではありません。
動くものを撮る場合でもAvモードが多く、自分で決めた絞り値と同じく、カメラが設定したシャッター速度の数値も、ファインダー内表示等で確認して撮影しています。
電車など動いているものをとるときなどは、Avモードにしていても絞りを開放にすることで、より動きを止めやすい設定になります。
絞りを開放にして、そのときに得られる一番早いシャッター速度を使うといいです。
実際、プロの写真家もA(Av)モードの使用頻度が高いようです。
絞り優先AEモードの操作は、希望する絞り値がでるまで電子ダイヤルを回し、あとはシャッターを切るだけです。
絞り値は一定に保たれ、適正露出に応じたシャッター速度を自動に決めてくれます。
そして絞りによって、ボケ具合やボケ具合やピンとの合う範囲(被写界深度)をコントロールすることができます。
開くと被写体深度は浅くなり、背景をぼかして省略することができ、絞りを絞り込むと被写体深度は深くなり、ピントが合って見える範囲が広がります。
例えば煩雑なバック(背景)は絞りを開けてぼかし、被写体をを浮き立たせることができます。
ポートレートやクローズアップ撮影に有効で、望遠レンズほど効果がはっきりと出ます。
同じサイズに写るように広角18ミリで近寄って、望遠135ミリで離れて撮影してみるとわかりますが、同じ絞り値でも、焦点距離によってボケ具合が変わるのがわかるでしょう。
大きなボケを求めるなら、断然望遠レンズが有利です。
風景撮影で絞りを絞り込めば、近景から遠景まではっきりとらえることができます。
広角レンズでF11以上に絞り込めば、ピントの合った範囲が広くなり、画面全体がシャープになります。これをパンフォーカスといいます。
また、質感を模写したい被写体は、絞りを絞り込んで強調するのも良いです。
ただ、A(Av)モードは絞りを絞り込むとシャッター速度が遅くなるので、手ぶれに注意してください。
撮影前にシャッター速度を確認するといいでしょう。
いずれにしても、一眼レフ初心者からでもA(Av)モードを積極的に使えば写真の幅や楽しみ方がグンと広がるので、シーンに合わせてぜひ使い方を身につけてくださいね。